人には行動してから考えるタイプと、
考えてから行動するタイプがいる。

最近の自己啓発書なんかでは「まず行動してから考えよう」というのが主流な気がする。
経営者の方にはそのタイプが多いと思うし、その方が早くゴールにたどり着けると感じる。

しかし、私はどうにもこうにも考えてから行動するタイプだ。
考えないと動けない。体力も限られている。
そもそも早くゴールにたどり着こうと考えていない。
合理的な考えは好きだけれど、それは単に足りない体力を補うためのものだ。

仕事の相談をしてくださる方々は、経営者の方が多いので、
「行動してから考える」タイプの方が多くなる。

すると、どうなるか。

どんなWebサイトを作りたいのか具体的に決まる前から、とりあえず話だけでもと私に相談をくださる。
それに対して適切な提案をすることもWebデザイナーの大事な仕事だとは思うのだが、
私はまだ決まってないことに対して、ついつい細かいことまであれこれと考え過ぎてしまう。

結果、いらんことを考えることにリソースが使われて、クオリティが下がってしまう。時間は有限なので。
おおまかなことだけあれこれ考えて提案できれば一番いいんだろうけど、細かいことが心配になってしまう。
なぜなら、仕事を進めていたら細かいところの調査や詰めが甘くて、このまま進んだら技術的にお客様の希望を実現できないと気づき、今までやった仕事がやり直しに、なんて苦い経験が何度もあるから。
(昔は多々ありました。最近は前にもまして用心深くなったので、あまりないです。)

反対に、こんなWebサイトにしたい、というおおまかでもイメージがあると、
ゴールを絞れるので、考えたことが全てクオリティに反映される。
私もお客様もハッピー。

だから、どちらが良い悪いとかではなくて、
まだ何も決まっていない時点で相談することで、自由な発想ですばらしいサイトを提案できるWebデザイナーもいれば、
私のようにある程度ゴールが決まっているときの方が、クオリティを高められるWebデザイナーもいるということだ。

じゃあその相性をどうやって見極めればいいのかというと、

「とりあえず打ち合わせしましょう」「とりあえずお電話しましょう」
という方は「行動してから考える」タイプ、

初めからある程度の希望をメールで送ってくださる方は、
「考えてから行動するタイプ」
と思う。

私が前のブログに書いた
「電話や打ち合わせが苦手な人向けの、メールのみで完結するWebサイト制作サービス」は、
まさに私が得意なことを生かせるお客様をターゲットとすることで、人を喜ばすことのできるサービスになりそうだ。

「行動してから考える」タイプの方は、
「とりあえずお電話ください!」
とサイトに書いているWebデザイナーさんやWeb制作会社に相談すると、
ぐいぐいと引っ張っていってくれて、いろいろ提案してくださると思うので、満足度が高いのではないだろうか。

いやー、自分の苦手なことはやりたくないという、ただのわがままから思いついたサービスなのだが、
苦手なことを突き詰めて排除したら、好きなことや得意なことが残って、かえってそれが人を喜ばせることにつながるかもしれないという気づきになった。

ときには悪の権化になった気分で、わがままにいこう!