忙しく過ごしていた日々
常に何かの仕事の締め切りに追われていて、
「あぁ、1ヶ月くらい『やるべきこと』が何もない時間を過ごしたいなぁ」と
ぼんやりと考えてた
そんなときに乳がんが発覚して、
その時点では、早期発見で抗がん剤治療がいらない予定だったので、
手術をすれば元の生活に戻れると思っていた
いくつかの仕事の締め切りを伸ばしてもらって
手術をしたところ
思ったよりがんが進行していて
抗がん剤治療を受けることになった
どんどん変わっていく私の身体と心
あぁ、元の生活には戻れないんだ、戻ってはいけないんだということを
やっと自覚して、仕事のほとんどを手放した
「やるべきこと」が何もない時間が
こんな風に訪れるとは思っていなかった
だけど、仕事をやめる前から
がんだとわかる前から
このままではいけないということは
ぼんやりわかっていた
がんばってもがんばっても
仕事はどんどん増えていって
それはとてもありがたいことだったのだけれど
パートナーと過ごす時間はどんどん減っていって
パートナーを思いやる心の余裕がなくなって
私はがんばっているんだから
これくらい許してくれるでしょうとか
私はがんばっているんだから
これくらいやってくれてもいいでしょうとか
どんどんパートナーに自分勝手な理想を押し付けてしまっていた
結局のところ私は
ここまでの状況にならなければ
現状を変えることができなかった
だけど今
こうやってしっかり治療ができるのは
あのとき仕事をがんばっていた私がいたから
あのとき仕事をまかせてくれた誰かがいたから
そしてパートナーが側にいてくれるから
心からありがとう
今はとにかく
治療を受けられることに感謝して
今日の自分を
少しでも元気にご機嫌にすることだけを考えてる
明日のことは考えない
これからどんな風に生きていけばいいのか
今のところ全く構想はないんだけれど
今日の私が未来へつながっていくなら
今日の私を幸せにすることが
今できる最高の投資だと信じてる
そして
過去を思い返す今の私が、もし幸福であるならば
過去も価値あるものになるのではないか
だから
今日はどんなおいしいものを食べようか
今はただそれだけ考えていよう